No.186 仮名手本忠臣蔵七段目一力茶屋

 

 

萬金丹 はら薬 トリモト丸 風ねつさまし 熱丸 虫下し セメン圓 小児薬玉 肝凉圓

むしおさへ 蒼龍丸 健胃強壮 胃散 熊膽 ちのみちのぼせ引さげ 人参沈香湯

消化毒 快感 けし テリアカ 六神丸 ドクトル膏 金瘡腫物の良剤

滋賀県甲賀郡深川駅前 あさま 朝比奈薬房

仮名手本忠臣蔵は、竹田出雲、三好松洛、並木千柳らの合作で、全11段。寛永1年(1748)8月竹本座初演。元禄15年(1702)12月の赤穂浪士討入事件に取材し、これを≪太平記≫の塩谷(えんや)判官と高師直(こうのもろなお)の世界に持ち込み、多くのフィクッションを加えて脚色した作。

(七段目)敵を欺くために祇園一力で由良之助は敵方のスパイの目の光る中に放蕩するが、顔世からの密書をお軽に読まれ、身受けして殺そうと企てる。お軽は兄平右衛門を徒党に入れるため兄に殺されようとしたが、由良之助が止め、平右衛門は徒党の数に入る。(世界大百科事典 平凡社)

引札のこの場面は由良之助が奥方様の顔世(かおよ)からの密書を由良之助の長男力弥(りきや)から受け取り右手でその文を隠し持っている。力弥は父に文だけ渡し空の文箱を右手にしっかりと持ち立ち去ろうとしている。中央円の中はお軽である。後方には一力茶屋、桜の木が描かれている。茶屋の中は、明かりが灯り夜の風情をかもし出している。