No.33 母と娘

 

 

呉服(太物に対して、絹織物の称)、太物(フトモノ、絹織物に対して、麻織物の称。絹織物は高価だったので、太物は庶民の織物としてよく使われた。)。嫁入小袖紋付(ヨメイリ・コソデ・モンツキ)類。琴平東四條 「はまや」こと、藤井商店。明治後期のものか。

娘が差しているのは当時の典型的な少女用の洋傘である。(この傘の骨は、8本である。)洋傘は、パラソルという名とともに、女性のおしゃれ用品として人気を得、開国・文明開化を通して、瞬く間に普及した。

画像では判別できないが、屋外の看板には「大勉強」とあり、勉強とは「商品を値引きすることで、「お値段は勉強しておきます。」という風に使われてきたが、現在では死語になりつつある。また、暖簾に「廉売価(レンバイカ)」とあり、安い価格で商品を売るという意味である。