No.55 大黒と雀のお宿

 

 

麻裏卸商 坂出市富士見町 三宅商店

麻裏...麻裏草履の略称。麻糸の平打ちの組緒を渦巻きにして裏に付けた草履。

「雀め雀め、お宿は何処じゃ。ちゅちゅちゅ、こちらで御座る。お伯父さんよくいらっしゃい。御馳走いたしましょ。御茶に御菓子、御土産につヾら。さよなら帰ります。来年の春に、またまた来ましょ。」

上の3コマがその物語である。下は大黒さんと店のおかみさんと水平さんの服を着た子供が蓄音機をかけている。蓄音機は、お土産にもらったつづらの中に入っており、つづらからは大判、小判、紙幣があふれ出ている。蓄音機から「いらっしゃいませ、勉強いたします。」等が流れている。

明治44年7月10日印刷 同年8月30日発行 発行印刷兼発行者

大阪市東区京橋壱丁目29番地 平民 古島徳次郎(竹次郎の息子)