No.8 日の出と鶴

 

 

皇洋風流 茶友御菓子製造所

琴平新町 かめや事 くわ志駒

(皇風とは、和風のことである。)右には鶴の列が山腹の斜面に舞い降りている。左上には、もう一列が降りる場所を探しながら飛んでいるようである。

印刷は諸家印入団扇摺物商 多度津門前 太田与一郎である。

著作兼発行人は大阪で発行したものが多いが、当地独特の丸亀特産のうちわ製造関連業種の印入団扇摺物商(しるしいりだんせんすりものしょう)が、うちわ摺物のかたわら引札を印刷したものと思われるものがある。これはその一例である。

この図柄と全く同一のものがNo.152である。これは、現在のカレンダ−と同じで、版元(著作兼発行人)が引札の見本を持って各地を廻り、注文を取り、商店名等を入れて印刷した。従って、この図柄に限らず各地で同一の図柄で商店名等だけが異なるものが見られる。(No.152−諸履物商 讃岐丸亀中横町 中野藤吉)